福頼先生のCBMに対する考え方 投稿者:ダンキチ 投稿日:2018/11/04(日) 10:45
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ネットでダンス論議をする際、論客の皆さんが良く参照される福頼先生はCBMを次のAA,BBのように説明しておられます。
AA. CBMは本来、一歩前進または後退するのと同時に自然に現れている動きである。 人は歩くときに手を振って歩く。左足を前にステップする時には右手を前に振るから、左足が前に動き始めると同時に右手が前に動き始める。右手が前に動くだけではなくて、右の肩も前に動いている。ダンスでは、この動きを注意深くコントロールすることによって、滑らかな回転の動作を作り出しているのである。ダンスでは、同じ側の肩と腰は鉛直線上に位置するのが原則だから、肩だけが前に出て体がねじれないように、腰を前に出すように注意しなければならない。
BB. CBM を作るために必要なのは,体重を支えている足の裏に、 床をねじるようにかける力である。]左足で体重を支えて立っている時に[ 時計回りにねじる力をかけたら体が左に向く。][ 反時計回りにねじる力をかけたら、体が右に向く。
(11) 先生はAAのCBMの説明の中で「ダンスでは、同じ側の肩と腰は鉛直線上に位置するのが原則だから、肩だけが前に出て体がねじれないように、腰を前に出すように注意しなければならない。」と言っておられます。 この考え方はCBMの際にも両肩を結ぶ線と両腰を結ぶ線は平行しており、ボデイは1枚板の様になっているとの考え方であり、アレックスムーアが1939年に「Ballroom Dancing」で書いたCBMの考え方と同じだと思います。 と言う事は先生が考えているCBMは現在、世界や日本で主流として踊られている上半身と下半身の絞りを生じさせる踊り方(CBM)とは明らかに異なっていると思います。
(22) 先生はCBMを作るためには「足の裏に、床をねじるようにかける力である」と言われています。 この床をねじるような感覚は前にも書きましたようにボデイを一枚板の様にして踊る際のCBM,すなわち腰より下の脚、足部で行う絞りを行うための独特の感覚だと思います。 ボデイを一枚板の様にして回転する場合は踏み出す足の反対側の肩と腰が一緒に同方向に回転するために踏み出した足のボールの上で回転が必要になります。 従い先生が言われるように「床をねじるようにかける力」を使いボールの上で回転をするのだと思います。
しかし昨今のCBMは上半身と下半身の絞りであるために踏み出した足の反対側の肩は腰に先行して回転を始めます。 そして後方に残っていた反対側の腰は肩に遅れて回転を始めそのステップの終わりで先行する肩の回転に追いつきます。 従い現在踊られているCBMのステップでは「床をねじるようにかける力」即ちボールの上での回転は必ずしも必要ではないと思います。
このことは現代の踊り方では教科書に書かれた通りのピボット(CBMの最も強いステップ)の踊り方がなされていない点に顕著に表れていると思います。
教科書によるとピボットではトーを内側若しくは外側に向けてステップ、そして踏み出した足の上のボールの上で回転が行われることになると思います。 しかし現代の踊り方ではこのボールの上では回転は殆ど行われていないと思います。
いずれにしてもネットの世界でダンスの理論的指針を書いておられる福頼先生のボデイを一枚板の様にして踊る踊り方(古い踊り方)とCBMの考え方が現在の日本のダンス界の踊り方及びCBMの考え方に強い影響をあたえているような気がしてなりません。
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